第24章 ~恋ネコ④~ ゆったりプロポーズ
…話が長くなってごめんなさい。
そんなわけで、
今回、後輩君の結婚式のために
東京に戻ってきてる伸行。
帰ってまずはキッチンで交わり、
お風呂に入って
二人で、お酒を飲みながら
のんびり、ご飯を食べて…
おだやかな時間。
たまにしか会えないからかな、
とも思うけど、
逆にきっと彼となら
20年後も30年後も
同じペースでいられるんだろうな、
とも思う。
私は、それでいい。
近くても離れてても、
籍を入れても入れなくても
伸行といることが幸せだ。
ただ、
心の奥底に押し込んでいる
小さな思いがあることを、
伸行には言えないでいた。
ひとつは、
子供を考えるならリミットがあること。
もうひとつは、
"結婚しないの?"と心配する親のこと。
アラサーと呼ばれる年齢になって数年。
そこそこ自分でも稼ぐようになると
無理に結婚しなくてもいいかな、と
思うのも事実で、
だからこそ、彼に言い出せなくて。
自分で、
ばっかだなぁ、
可愛くないなぁ、
…と思う。
サラッと聞けば
必ず何かは答えてくれる人だって
わかってるのに。
一人で考えて
一人で決めることじゃないのに。
…本当は、私は伸行と結婚したいんだ、
と思っていることに、
自分で気付かないフリをしている、
『今のまんまが私達らしくていい』
なーんて
つまんないプライドを持った自分が、
情けない。