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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第24章 ~恋ネコ④~ ゆったりプロポーズ



恋より先に身体を交わしたのは
初めてのことだったけど、
ほどなく私たちは付き合い始めた。

知れば知るほど、この人は興味深い。

仕事は相変わらずきっちりと。
そしてプライベートは、
それこそ、ド天然…ノンストレス。

睡眠欲、食欲、性欲、
どれも気の向くまま。

自分に決まり事を作らないから
その日その時の
気分や調子にあわせて
すごく伸びやかに生きてる。
無駄に頑張らない。

彼自身が自然体な分、
他人にも何かを求めない。

彼の友人の黒尾君や夜久君と
飲んだことがある。

自分に厳しい分、他人にも厳しい、
しっかり者の夜久君。

誰かのことが気になると
世話せずにいられない黒尾君。

そのどちらでもない伸行が
静かに二人の間にいることで
バランスが保たれてたんだな、と
彼らを見ていて思った。

もちろん、
私に対しても全く束縛しない。
あまりに自由にさせてくれるから
却って、彼のことが気になる。

まさに、海 伸行という"生き物"の
掴みきれない魅力にハマってしまった。

…つきあって1年目くらいに
チラッと"結婚したいな"と
思った時期があった。

"プロポーズしてくれないかなぁ"
とか思って、
誕生日とか記念日とかクリスマスとか
ひととおり、ありがちなドラマを
期待してみたんだけど、

全然、なかった。

ガッカリ、というより、
やっぱり、という感じ。
彼のあの性格じゃ、
結婚は考えないタイプかもね。

でも、まぁいいや、
こっそり裏切ったりする人じゃないし
籍にこだわらなくても。
自分達基準で自由にいこう…と思った私は
相当、彼に影響されてきてる(笑)

だから彼が、
昇進試験のための勉強を始めたのも

その試験に合格して、
実績を残すための地方勤務
…新幹線で四時間かかる支店…に
異動になったことも
あまり驚かなかった。

やりたいことをやればいい。
行きたいところに行けばいい。

彼が一瞬も不安にならないくらい
私は、いつもの、私でいる。

伸行が愛してくれてる私。
伸行を愛している私。
それが、一番の応援になると
わかってるから。

彼が旅立つ前の壮行会の時、
夜久君や黒尾君に
"実はもう結婚してんだろ?"とか
"熟年夫婦か?"とか
"お前ら、遠距離恋愛じゃなくて
単身赴任みてーだ"とか笑われたけど、

…うん、それでいいと思うもん(笑)


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