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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第24章 ~恋ネコ④~ ゆったりプロポーズ



ガタン、と立ち上がり、
私に向かってまっすぐ歩いてくる彼。

そして私を立ち上がらせると
そのまま、唇が触れた。
本当に、確かめるみたいに。

離れる。

『どうかな?』

『わ、わからなかった…』

びっくりして。

『じゃ、』

もう一度。
今度のは、さっきのキスとは違う。

はっきりしっかりと味わうように。
押し付けられ、
開いた間から舌が現れ、
味わうようにあちらからこちらへと。

あぁ…
これは、恋人同士のキスでしょ…

私も応えよう、とした時、
またも離れる唇。

『どう?』

『…』

ほんとは、"もっと"って
言いたかったんだけど。
さすがに、躊躇した。

『俺は、もっと、って言いたいところだけど、』

?!

『続きは、このプロジェクトが
無事終わってから、だね。
今、始めちゃったら、仕事が止まる。』

ええっ?
そんなのって、あり?!
新 お預け王子誕生かっ?!?!

…でも、ふざけてる、わけではなさそうで。

『さ、あと、三時間で終わらせよう。』

何もなかったように
仕事を再開するから…

私からは、それ以上何も言えず、
でも、でも、
確かにその瞬間から

私は照れを隠すように
モーレツに作業をすすめ、
確かに、それから三時間で
きっちり仕事は終わった。

まるであのキスが
三時間で仕事を終わらせるための
カンフル剤だったかのように。

…あらゆる意味で
"気になる男だな"と思ったその夜のことは
今でも、忘れない。

翌日からは、いたって普通に
また同じ目標に向かって働き、

そしてプロジェクトは、無事、成功。

あの夜のことは、
ちょっとしたおふざけだったんだろうな、
ここでグズグズ引きずるようじゃ
大人の女じゃないよね、うん。

そう自分を納得させたのに。

打ち上げの時。

久々においしいお酒を飲んでいた私。

ほどよく盛り上がり、
一次会がお開きになって
みんな、トイレに行ったり
家に電話したり、
次の店を話し合ったりしてる時、

彼は、特に隠れるわけでもなく
私にこう言ったのだ。

『早瀬さん、俺ら、続きが残ってるよな。』

…聞こえてた人もたくさんいたはず。
でも、誰も気にも止めないくらい
当たり前の顔と声で。

私ですら
『何か後片付けか何か、あったっけ?』
と思ったくらい、ごく、自然に。

続きを、って。

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