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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第23章 ~恋ネコ③~ あと出しプロポーズ



ゆーき君の家からの帰り道、
駅までの道のりを父と歩きました。
二人で歩くのって、何年ぶりだろ。
次は…ヴァージンロードかなぁ。

『母さん達には報告しとくけど、
アキからも電話するとぞ。
結納の日取りやら、お前がしっかり
優生君のご両親と話し合ってな。』

『うん…あの…おとうさん、
ゆーき君のこと、ずっと黙っててごめん。
もっと早く紹介すればよかったね。』

『いや、直接会って話したからこそ
優生君のよさがわかったんやし。
アキから聞くだけやったら
先入観で反対しとったかもしれん。』

『…ね、お父さん、
ゆーき君のどこがよかったと?』

『うーん、なんやろな…
お父さんの話を一生懸命聞いてくれるのが、
なーんかたまらんごと可愛い犬みたいでな。
いつの間にかヨシヨシしてやりたくなるような
気持ちになっとった。
こん素直さは、
いい家族に育てられたからやな、って。

…それはもう、ほら、
アキの未来に一番関わることやから。』

やっぱり、
私のことを一番に考えてくれてる。
照れ屋、というか、口下手だけどね。

ゆーき君は、おとうさんみたいに
頑固親父にはならないタイプだけど…

表現方法は違っても、
家族を大事にしてくれるところは
おとうさんとそっくりだから
安心してね、って、言いたかったのに
なぜだか言えませんでした。

なんでだろ。
家族に向かって、
心からのありがとうって
なんか、照れてしまって言えない…

私も、
結婚式ではちゃんと
家族に手紙を書いて
感謝の気持ちを伝えよう。

まさかたった一晩で結婚が決まり、
そのあとでのプロポーズ。
普通と順番は違うけど…

家族が見守るなか、
大事な指輪を受け継いで。

むしろ、あと出しのプロポーズで
よかったな、って思うくらいです。

全部、父のお陰。

『お父さん、ありがとう。』

『ん?なんがか?』

『…漬け物。』

『あ、あれな。お母さんがどうしても
持っていけってうるさいから。』

…お互い、わかってる。

ありがとう、の本当の意味も。

漬け物は、お父さんが空港で
自分で選んで買ってきてくれたことも。

なかなか素直になれない
私たち家族にとって、
ゆーき君の誠実な存在が
どんな影響を与えてくれるのか。

それが今から、楽しみで楽しみで
仕方ありません。




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