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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第23章 ~恋ネコ③~ あと出しプロポーズ



『もしもしっ、おとうさん?!』

『おぅ、アキ、』

『なぁに?ゆーき君と一緒やろ?』

父の声は
とても楽しそうでした。
今まで、聞いたことがないような声。

その声で、びっくりすることを。

『そうや。アキ、
今年のお前の誕生日に、結婚式や。』

…え?同棲、でしょ?

『優生君と決めたぞ。
あと半年ちょっとや。それまで忙しなるぞ。
お母さんやらあっちの人間には、
お父さんがちゃんと言っておくから。
式のことやらで何かわからんことは、
優生君のお母さんやお姉さんに相談しながら
ちゃんと進めるとぞ。』


け、結婚?

同棲、じゃなくて?


『何や、今さら同棲するくらいやったら
結婚してしまえ。優生君はええぞぉ。』


…酔ってる?


『明日の夜、優生君のご両親に会いに行って、
挨拶してくるから、アキも、来なさい。』

…それは、ゆーき君の了解は得てるの?


電話の向こうから
カラオケのイントロが聞こえてきて、
そしてエコーのかかったゆーき君の声。


『おとーさーん、始まりますよぉ。』

『おぉ息子っ、すぐ行くけん!
アキ、優生君のこと、
しっかり支えちゃりやっ。したらな。』

息子?

『ぉとーさーん、イントロ、終わる!
歌、始まりすよ、早く、早くーっ!
マイク?マイクはここです!
せーの、♪僕が生まれたぁ♪…』



…ゆーき君の声をバックに
父の通話は一方的に切れました。
私はほとんど話すことなく。



後ろで聞こえていたあの曲。
沖縄出身のグループが歌う、ふるさとを想う曲。

いつも、飲んだ父が口ずさむ曲。

…この間、ゆーき君に
父のことを話したときに
"父の好きな曲"と教えた曲でした。

この都会のどこかネオンの下、
私の大事な二人が同じ曲を歌いながら
肩でも組んでいるのかな。

…想像しただけで涙が出ました。

お父さん、うちは娘二人だけど、
息子、欲しかったんだね。
お父さんの夢、
ゆーき君が叶えてくれたんだね。

ゆーき君はやっぱり私のヒーローで、

お父さんの新しい息子で、

父はやっぱり、私の父です。


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