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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第23章 ~恋ネコ③~ あと出しプロポーズ



父を見送ってすぐ、
私はゆーき君に電話をしました。

ゆーき君も、すぐ電話に出てくれた、
ということは、
きっと電話を目の前において
私からの連絡を待っててくれたんだと
思います。

話のなりゆきを伝えて
父の連絡先を伝えると、
ゆーき君は言いました。

『アキちゃん、心配しないで待ってて。
僕、楽しみなくらいだよ。
おとうさんと話したら、すぐ連絡するからね。』

姿は見えないけど、
ゆーき君の笑顔が見える気がする。
いつもの、あのキラースマイル。
私との約束を一度だって破ったことのない
あの誠実さが、おとうさんに伝わることを、

信じる。

世の中で
私を心から愛してくれている、男性二人。
きっと、わかりあえる、って。

電話を切り、
急いでお風呂に入って、
スマホを目の前において充電しながら
待つ時間。

テレビをつけても雑誌をめくっても
全然頭に入らず…
一時間くらいたった頃でしょうか。
ゆーき君からの着信がっ!

『も、も、もしもしっっ?!』

『あ、アキちゃん、さっき
おとうさんと電話で話したよ。』

『そ、それで?』

『今から、一緒に飲みに行くことにした。』

『…え?今から?飲みに?』

『うん。やっぱり、ちゃんと顔を見て
話させてもらいたいな、と思ってさ。』

『わ、私も一緒に行った方がいいかな?』

『ダメダメ。男同士で話、させて。』

『大丈夫なの?』

『だーいじょうぶだって!
また連絡するから待っててね。』

…プチン、と通話は切れて…

そして、また私は
スマホの前でじーっと待つ時間が
始まりました。

ブルリとも震えず、
ピンポーンとも言わない
静かな電話。

鳴ってほしいような、
鳴ってほしくないような。

時間の感覚が、ないまま
どのくらい過ぎたでしょうか…

日付が変わりそうな頃、
やっと、着信が。

…父から、です。


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