第22章 ~恋ネコ②~ ダメ出しプロポーズ
『…いやだ。』
俺の返事をきいたアッキーが、
指輪を持った俺の手を
そっと握りなおさせて、
『とらちゃん、私、すごく嬉しい。
もしまたプロポーズしてくれたら、
そのとき、ちゃんと返事する。
だから、今日のは、聞かなかったことにするね。』
…やり直し、あり?
『みんなと一緒のこと、やらなくていいじゃん。
とらちゃんが、一番、堂々としていられる所で
ちゃんと、とらちゃんの気持ちを聞かせてほしい。』
『アッキー…待っててくれるのか?』
『もちろん!
人生の大事な場面だもん、
今日のはリハーサルだと思ってさ!』
…それは、初めてセックスした時に
俺が言った言葉と同じ。
『これまでのことは
全部リハーサルだと思って、
今日、これからを本番にしよう。』
覚えててくれたんだな…って
すごくすごく嬉しくて、
やっぱりアッキーのことが大好きだ!
誰も見てないのをいいことに、
アッキーを抱き寄せて…
『再挑戦のチャンス、ありがとな。』
『うぅん、むしろ、
ハードル、あがっちゃったんじゃない?』
ニヤッと笑うアッキーは
やっぱり俺のことを
誰よりよくわかってくれてます。
やる気、出ちゃったもんね。
その日は、何事もなかったかのように
ふたりで飯を食い、一緒に朝まで過ごして…
そして、何事もなかったかのように
バイバイをしました。
…リエーフ、決めたのかな?
一瞬、チラッと思ったけど…
他のヤツのことは気にしない!
俺は、アッキーに伝えたいことを
伝えるにふさわしい舞台を、もう1度、探す。
それからしばらく、
ずーっとそればっかり考えて過ごしてました。