第22章 ~恋ネコ②~ ダメ出しプロポーズ
歩いてみて…びびりました。
あっちもこっちも、
いいポイントはみんな、
先客が、それぞれに…
それこそプロポーズしてたり、
無駄にイチャイチャしてたり、
女子グループが自撮りしてたり、
家族連れがポテト食ってたりして、
もう、全然、場所がないっ!
下見した意味がないっ!
ちょっと皆さん、用が済んだら
さっさと、どいてくんねーかなっ?!
とイライラしながら歩くうち、
…ぅぅぅ…ゴール…
一周してしまいました…
『んー、クリスマス~って感じ、満喫できたぁ!
とらちゃん、ありがと!』
『いぇ、それはよかった…』
よくない!
俺は全然、よくないっ!
ダメだ、俺!諦めるなっ!
『アッキー、もう一周、しようよ!』
『もう一周?』
『うん、ほ、ほら、写メ、撮ろう!
ふ、二人でお揃いの待ち受けにしよ!』
『あ、そうだね。じゃあさ、
あそこがよかったんじゃないかな?』
アッキー、ズンズン進んでいき…
やっぱり園内は人だらけで…
誰一人、俺の気持ちを知る人はおらず…
『あ、ここここ!…人、多いね、
とらちゃん、もっとくっつこうよ。
はい…ちょっと、笑顔がヘンだよ?
そんな寒い?はい、笑って~。』
写メは一瞬で撮り終わり💦
『うん、クリスマス気分、満喫した!
とらちゃん、ありがとぉっ!』
『もう…だいたい見たよね?
もう一周、しないよな?』
『もういい(笑)さすがにもうお腹すいた!』
…だよな…
がーん( ̄▽ ̄;)
あんだけ、下準備したつもりなのに、
何一つ、役にたたなかった…
と思った時に、
目の前のグッドポイントを
陣取っていたカップルが歩き出して、
あいたよ、場所が!
ここ、ここ、今、今しかねーって!
『アッキーっ!』
『とらちゃんっ!』
『『あの、』』
…二人の声が揃う。
『…なに?』
『アッキーこそ、なに?』
『あのね…トイレ、どこかな?』
えーっ?!今、もよおしますかっ?!
『寒いし、
ホットワイン飲んじゃったもん。
トイレ、混んでるかなぁ…』
『トイレなら、』
俺、下見してっから!
『表まで行くより、
あっちの街並み見本市の中のトイレが
近いしキレイだし穴場だよ!』
『やーん、とらちゃん、詳しい!
頼れる、さすが!…いってくるっ!』
…唯一、下見が、役立ちました…