第22章 ~恋ネコ②~ ダメ出しプロポーズ
その日、もちろんアッキーには、
俺のポケットに指輪が入ってることなど
全く伝えず、
毎年のクリスマスデートのように
すっげー普通におちあって、
飯を食いに行く前に
ちょっと寄り道して
イルミネーション見に行こーぜ、
くらいの感じで
フラワーパークに立ち寄りました。
駅に着いたあたりから
"なんか、予想以上に人が多いな。"
とは思ってたんですけど、
ほら、こっちは、
ちゃんと下見も済ませてっから。
入り口のチケット売り場の行列を横目に
サラッと入り口へ向かいます。
『とらちゃん、ここ、
チケットないと入れないみたいだよ?』
『大丈夫。2枚、あるから❇』
まるで
ダイナーズのプラチナカードでも
見せるかのように
さらりと出してみせます。
(2枚で3000円…威張れない 笑)
『すごーい!スマート!かっこいい!』
誉められて、思わずワンワン、とでも
言いたくなる、いい気分の俺(笑)
受付を過ぎると…
さすがクリスマスイブ。
キラッキラのイルミネーションと
オルゴールの音色のクリスマスソング、
そして、
この間来た時とは比べ物にならない
カップルの数…
うぅ、ひるむ💦
しかし、もう、行くしかない。
『わぁ、THE・クリスマスって感じだね!
ここ、初めて知ったよ~、穴場?』
…穴場、のはずだったんだけどね…
まさかこんなに人がいるとは…
『あ、クリスマスマーケット!行ってみよ!』
テントの立ち並ぶマーケットで
テンションがあがってるアッキー。
うん、気分、あげとこ。
『寒いから、ホットワイン飲も!』
『お揃いで、なんか買おうよ!』
楽しそうなアッキーを横目に、
俺は段々、緊張が高まってきました。
早くプロポーズしてしまわないと、
俺、全然、楽しめねーわ。
ポケットの指輪の包みも、
もう、いじりすぎて
クタクタになってるんじゃねーか?
『…アッキー、先にイルミネーション、見よう。』
『あ、そうだね、ごめんごめん。』
い、いよいよ、
園内の散策開始。
いくつか目星をつけておいた場所で、
いざ、勝負!
…は、早く終わらせたい…
ダウンコートの下、変な汗、かいてきた…