第6章 ウェディングブーケ
自由のきかない体勢で
身体中のあちこちをまさぐられる。
恥ずかしいはずなのに
めまいがするほどの快感…
私の身体のどこが感じるのか、
私が何をされるとイクのか、
及川はよく知っている。
もちろん私も、
これまでそこそこの男性経験はあった。
でも、これほど
愛し上手な人に出会ったことはない。
及川に開発された身体のようなものだ。
『早瀬、もうシーツまで濡れてるよ。
早く俺に謝って、お願いしたら?』
…ほら、この人にはかなわない。
さんざんイカせたくせに、
私のホントの限界は今だってわかってる。
『及川、お願い…縛ったまんまで…イカせて…』
『あれ?ツッキーの分のごめんなさいは?』
『…それは、言わない。
月島君は悪いことしてないから。』
『…なんでかな、俺、最近、
早瀬がツッキーと喋ってるの見ると、
イライラするんだよね。』
『月島君は、部下の一人。
それに彼、結婚してるし。』
『…マジ?』
『ホントよ。』
『…なんか、いろいろ腹立つ!』
…あぁっっ…
いきなり激しく貫かれて、のけぞる。
及川の鍛えぬかれた体と同じように
逞しい彼のアレが、
私の体をいっぱいにする。
動きと同じリズムで響く、いやらしい音。
耳元で聞こえる荒れた息遣い。
うっすらと汗をかいた肌の感触。
…そこに愛がなくてもかまわない、と
思ってしまった段階で、
私は彼に負けている…