第22章 ~恋ネコ②~ ダメ出しプロポーズ
『ねぇ、とらちゃん…』
『あ、痛い?』
『私…今さらこの歳で
何言ってんのって感じだけど、
とらちゃんが初めての人だったら
よかったのに、って、今、思った。
こんなに優しい人、初めて。
脚は、全然、平気。
でも気持ちが…キューって痛い。
これって…恋、だよね。』
ちょっと待て。
そんなこと言われたら、
俺も今、胸がキューって痛かった。
これは…恋、なのか?
うん…確かに
恋…だな…
『アッキー、』
深く挿入したまま、
背中を強く抱く。
『アッキーを俺のものに出来るなんて…
俺も、こんなに愛しい気持ち、
生まれて初めてだ。』
大好きで
大好きで、
他の人の知らない彼女の姿を
見られるのが嬉しくて、
欲しくてたまらないのに
壊しそうで怖くて、
胸が苦しいのに、
それが嬉しくて、
また明日会えるのに
今日、離れるのが寂しくて、
俺だけのものにしたいのに、
みんなにも見せびらかしたくて。
…アッキーも同じ気持ちでいてくれるなら、
俺、どんなことでも頑張れる。
『とらちゃん…』
『な、アッキー、
今までの恋もセックスも、
全部、今日のための
リハーサルだったことにしてさ、
今から本番、ってことにしよう。な?』
ん。
と頷いて
彼女も俺の背中をキツく抱く。
頬を寄せあって、
耳元に『いくよ…』と声をかけて、
そのまま、スパートをかけた。
脚は閉じさせたまま。
足首に負担をかけないように
充分に気を付けながら、
俺が上から腰を動かして奥を突く。
これからどれだけ長く
一緒に過ごすとしても、
"俺達の初めて"は、今だけ。
幸せな思い出に、したいじゃん。
俺、こういうキャラだっけ?
俺も知らない俺。
…こんな俺、
研磨やクロさんに知られたら
きっと笑われるだろうな。
アッキーとだから。
強くいたい。かっこよくいたい。
これって、やっぱり、恋、だ。
俺の人生で、
初めて桜が満開になった気がする。
…あ、それはダメだ。
桜、すぐ、散るから。
…かわりの言葉が思い浮かばない。
いいや。少ない脳ミソが、破裂する。
無理は禁物。
欲望、快感、最優先。
そして、
『…んんっ…』
『…ぁぁぁっ、とらちゃん…』
はい、
放出。
幸せな
ノックダウンで
第一ラウンド、終了です。