第22章 ~恋ネコ②~ ダメ出しプロポーズ
その日、バイトを休んだ彼女。
心配で帰りに家に寄ってみたら、
ヒョコヒョコとした足取りで
玄関に出てきてくれました。
これじゃ、
居酒屋のバイトは
しばらく無理だろ…
『どうした?捻挫?』
聞けば、学校の体育の授業で
(彼女は体育教師を目指してます。)
足をひねったとのこと。
『病院は?』
『行ってなーい。2、3日すれば
なんとかなるでしょ。』
『…そういう時に、俺、呼んでよ!』
そうです。俺はスポーツ整体師の
専門学校に通ってるんだから。
彼女の役に立てるなら最高。
部屋にお邪魔して
床の上にマットを敷き、
アッキーを寝かせて
ゆっくりと足首の調整から。
『…アイタ(><)』
『んー!これ、結構、ガマンしてたな?』
『だって、病院行くと大袈裟に
包帯とかされて、目立つんだもん!
何回も通院しなきゃならないし。』
『でもこのままじゃ、
脚だけじゃなくて、腰や背中にも
負担がかかるからよくないよ…ほら。』
うつ伏せに寝かせたアッキーを
丁寧に揉みほぐしていきます。
痛めた脚をカバーしてた分、
全身に歪みが…。
その時は本当に本当に本当に、
俺は下心ナシで、心を込めて
マッサージしてたんですが。
『ね、とらちゃん、
そこ、わざとゆっくり揉んでる?』
『え?張ってるから、すごく。』
腰から太股にかけて揉みほぐす俺の手。
『なんか…
焦らされてる感じがするんですけど。』
ええっっっ?
そんなつもりじゃない!
だいたい、ケガした彼女を前に
そんなことヨコシマなこと思うほど
俺はガッついてないよ…
と思ったのに、
アッキーは
『ね、もうちょっと内側も。』
と、俺の手を足の付け根の内側…
ほぼアソコに近いところにもっていき…
『女性ホルモン分泌させる
マッサージを、お願いします♥』って。
こ、これは…
誘われてる、んですよね?
ここまで誘ってくれるんだから、
断ったら失礼ですよね?
いただくのが、
マナーってもんですよね?