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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第22章 ~恋ネコ②~ ダメ出しプロポーズ



『あの…なぜ俺は今ここに…』

『夜桜が満開だから。』

『それは…そうですけど。』

『それと、もう一つの理由はね…』

…やっぱ、他にも理由があんだな。
なんだ?なんかヤバイこと
手伝わされたりしねーだろな?

なんか、昔、
国語の授業で習った気がするぞ。

"桜の樹の下には屍体が埋まってる
それは信じていいんだよ"だったっけ。

誰か、男の人が書いた詩。
縁起でもねぇや。
何で今、そんなの思い出したかな、俺。

アッキーの口の動きが
スローモーションみたいに
はっきり見えました。

『山本くん、つきあって。』

…もうひっかからないぞ。
脱ぐのは、ズボンじゃなくてヘルメット。
つきあうって、何につきあうのか?
ちゃんと確認してから返事。

『はぁ、いいですよ、
何につきあえばいいですか?』

『だーかーらっ、
私の彼氏になってほしい、ってこと。』

え、え~~~~~っ?!
断ったら俺、
桜の樹の下の
屍体にされるんじゃねーか?

『な、なんで、ですか?』

『前から、思ってた。
一生懸命だし素直だし元気だし優しいし
おもしろいし楽しいし個性的だし、
超 私の理想のタイプ。』

…誉め殺しって、ってこういうことですか?

『私達、つきあったら、
絶対、楽しいと思うんだ。
今、私のこと好きじゃなくてもいいから。
嫌いじゃなかったら、お試しでいいよ。
彼女がいるんだったら、諦めるけど…』

『い、い、いないっす。
お試しなんてそんな贅沢な…』

『じゃ、いい?』

『はぁ、俺でいいんスか?』

『山本くんがいいの!』

『それ言うためにわざわざここまで?』

『ん。今年のこの桜は、絶対、
山本くんと見るって決めてたの。そんで…』

『…そんで?』

『もし断られたら、
山本くん、ここに残して帰ろうと思って。』

『ええっ?置き去り?!
あの、つきあいます、つきあいますから
連れて帰って下さいっ!』

『ウソに決まってるじゃん(笑)』

『俺で遊ばないでっ(涙目)。』

『あぁ、よかった!…ね、とらちゃん…』

…いきなり"山本くん"から"とらちゃん"に
変わったその瞬間、奪われた唇。

二人のファーストキスで
俺が後ろによろめき頭をぶつけたことは、
桜の木しか、知らない…

こうして俺はアッキーに
日々、飼い慣らされて?!
いくことになりました。

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