第22章 ~恋ネコ②~ ダメ出しプロポーズ
したことあります?
バイクの2ケツ。
結構、体がくっつくんです。
しかも、腰に手。
ちょっと上には、前屈みになってる
アッキーの胸が。
ちょっと下には、バイクに跨がってるから
パッカーンと開いた股が。
もう、
一ミリも手がずれちゃなんねぇ…と
俺は銅像のようにカチカチになりながら
しかも、
アッキーの背中に時々顔が触れると
体温になじんだ革ジャンは、
まるで人肌のようなやわらかな感じだし、
さらに、
革の生っぽい匂いの中に
ほのかに女性のいい香り、
そして
少し目線をあげれば、
ベロンと舐めれそうな近さに、うなじ…
俺が野生の虎だったら、
間違いなく、
後ろからガブリといってます。
なんだ、この誘惑の宝庫は?!
このとき考えてたことはただひとつ、
『落ち着け、俺の股間。』
ということでした。
これで、バイク降りた時に
ピコンピコンになってたら、
俺、サイテーですよね?
どこまで行くかもわからない中、
俺は極力、体に関わりのないこと…
例えば、
新メニューの金額、とか
今度の試験の日程、とか
明日の天気、とか
昨日の晩飯、とか
掛け算九九、とか
県庁所在地、とか
そんなことを考えながら
修行僧のように自分を押さえてました。
ええ、
四月の夜風は冷たいというのに、
体のあっちこっちから
変な汗が流れてたと思います。
ブロロロロ~ン…ドッ…ドッ…ドッ…
どのくらいの時間、
細い腰にしがみついていたのか
全くわからないけど、
エンジンをかけたまま
バイクは停まりました。