第21章 ~恋ネコ①~ 真っ直ぐプロポーズ
ということでっ。
はい、本日、勝負の日、
クリスマスイブ、でーす。
幸い、お天気は心配なし。
指輪もスタンバイOK。
一緒に考えてくれた芝山のためにも
俺は今日、見事に男らしく、
そしてロマンティックにキメてみせるよ!
高校の頃は、
みんなにキャーキャー言われたかった。
でも、大人になった俺は違う。
アキちゃんに…
アキちゃんただ一人に
『リエーフに愛されて、私、幸せやわ♥』
って言ってもらえれば、それでいいんだ。
誰よりもロマンティックに、
誰よりもキメッキメで
プロポーズを成功させなくちゃ。
俺たちが歳をとってからも
イブのたびにこの日のことを思い出して、
二人で笑いながら話せるように。
そんなわけで、
クリスマスイブ、
『アキちゃん、
ちょっとおしゃれして
クリスマスデートしよう!』
そうやってアキちゃんを誘い出した。
俺がプロポーズに選んだ舞台は…
夜景がキレイで、
高い場所じゃなくて、
そしてロマンティックな…
東京湾 クリスマスクルーズ。
クルーザーでディナー食べて、
東京湾の夜景を独り占めしながら
デッキで、映画みたいなプロポーズ。
最っ高!じゃね?!
アキちゃん、絶対、感激するだろ!
『夢みたいやわ…♥』とか
『はい、よろしくお願いします』とか
『リエーフに一生、ついていくね』とか
キラッキラした瞳で言いながら
もしかしたら、泣いたりして。
そしたら俺は、人目もはばからず
抱き締めて、キスをしよう!
うーん、絶対、アキちゃん、
俺に、惚れ直すだろ!
周りのカップルが、
俺たちのこと羨ましそうに見るかも。
よそのカップルの彼女が
俺に色目つかってきたって、
俺はアキちゃんしか、
目に入んねーから。
そこらじゅうの皆に
祝福してもらいながら、
幸せなカップル代表!になるんだ。
俺は、アキちゃんの王子さま、
もしくは、騎士。
ヤッベー、もう、既に興奮するっ!
日本中のカップルのなかで、
一番ロマンティックなクリスマスを
過ごすんじゃねぇかな、俺たちっ!!!