第7章 大好きなともだち【日向ヒナタ】
下忍になってしばらくして、うちはくんと付き合うことになったと、リエちゃんは顔をりんごみたいに真っ赤にして嬉しそうに、幸せそうに私にその報告してくれた。
私はリエちゃんをうちはくんに取られたみたいで少し悔しい思いはあったけれど、でもとても嬉しかった。
リエちゃんに、幸せになってほしかった。
それなのに。
うちはくんは、里を抜けた。
リエちゃんを、独り残して。
「ヒナタ…私……サスケを止められなかった…。行かないでって…独りにしないでって…言ったのに……!」
泣き崩れるリエちゃんに、かける言葉がなかった。
リエちゃんを笑わせてあげられるのは、うちはくんだけなのに、何で今ここにいないの?
そう、すごく思ってしまった。
リエちゃんがうちはくんと付き合い始めてすぐの頃、二人が一緒に歩いているときに会ったことがある。
リエちゃんを守るように握り締めた手を慌てて離してそっぽを向くうちはくんが、なんだかおかしくて。
リエちゃんがうちはくんに「ヒナタには全部言ってあるから大丈夫だよ」なんて笑っていた。
リエちゃんがどんなにうちはくんを好きか。
どんなにうちはくんがリエちゃんを大切に思っているか。
雰囲気だけで伝わって来るほどに、二人の絆は深かった。
うちはくんなら、リエちゃんを幸せに出来ると確信出来るほど。
それなのに…
うちはくんは里を出た。
お兄さんに復讐をするために。
そのことで今までリエちゃんがどんなに苦しんできたのかもきっと知らないくせに。
それ以上にどうして大事な人を苦しめるようなことをするのか、私にはわからない。
リエちゃんの泣く姿なんか、見たくなかった。
リエちゃんを悲しませるうちはくんが……許せなかった。