第2章 わたしの好きな人【山中いの】
取り残されてただただ泣き続ける三人を尻目に
私は呆然と立ち尽くしていた。
あんなサスケくん、初めて見た。
リエを守る為なら、あんなことまで出来るんだ…
…すごく、怖かったけど
でもなんか今、こんなにモテるのに一途なんて素敵!って思ってる自分がいる。
これも”あばたもえくぼ”ってやつかしら?
あれ以来彼女達は、リエを見るとそそくさと逃げるようになった。
あまりの彼女達の変貌ぶりにリエも戸惑ったのか私に相談してきたりもしたけど
「改心したのよ、きっと」と、そこは何も知らないふりをした。
だってリエは優しすぎるから、彼女達があんな目にあったって知ったら少なからず傷つくだろうし、サスケくんを怒ってしまうかもしれないでしょ?
それに私があのときこっそり覗いていたなんて、サスケくんにも知られたくないし。
まぁサスケくんなら、私の気配くらい気づいていたかもしれないけどね。
アカデミーに入って、私は初めて恋をした。
その人の名前は、うちはサスケくん。
でもどうやら彼には、もう大切な人がいるようだ。
ま、だからってあきらめるつもりはないけどね!
だって恋するのは、自由でしょ?