第13章 10月16日*ルイ*
二人で囲む小さな食卓。
ルイは私が作った料理を口にして、「うん、美味しいよ。…何だかほっとする。」なんて言ってくれた。
食事の後に用意していたプレゼントを渡した。
箱の中でキラリと光る青い石の小さなピアス。
ルイの瞳の色と同じ深い青。
「ありがとう…嬉しい。」と、優しく微笑んでそっとピアスを付けてくれた。
喜んでくれてよかった、とほっと胸を撫で下ろして、私はすっかり安心していた。
紅茶を飲みながらふわふわ和んでいたら、ルイが口を開いた。
「ねぇ、?」
「ん?」
「ワガママ言ってもいいって言ってくれたよね?」
「うん、なぁに?」
「と一緒にお風呂に入りたい。」
突然の「ワガママ」、しかもその内容に私は目を丸くして驚いた。
「えっ!?ちょ…ちょっと待って…!」
「…いや?」
私はルイの小首を傾げてのおねだりにめっぽう弱い。
きっとルイは無意識にやっているんだと思うけど、その仕草にいつも胸がとくん、と音を立てる。
私は顔を火照らせて小さく頷いた。