第13章 10月16日*ルイ*
お城のお風呂よりは少し小さめのバスタブ。
二人で入るには密着しなければならなかった。
しかも、灯りは煌々と浴室を照らしている。
いつも肌を晒す時は暗い照明の下なので、こんなに明るいところで一糸纏わぬ姿になるのはこの上なく恥ずかしかった。
「…。何で縮こまってるの?」
「だって…恥ずかしいもん。」
せめてもの抵抗に私はルイに背を向けてぎゅうっとうずくまるような体勢をとった。
「それじゃあ見えない。」
ルイは後ろから私の首筋に強く口づけた。
「…!」
不意を突かれて、少し体に入れていた力が抜けてしまった。
それをルイは見逃さず、私の体の向きをくるりと自分の方に向けた。
恥ずかしくてルイの顔を見られず俯く私の顎に親指をかけて、ルイの瞳に私の目は捕らわれた。
顔が近付いてきたと思ったら、唇を何度も何度も重ねられる。
啄むように、そして吸い付くように。
薄く開いた私の唇に舌が滑り込み、躊躇する私の舌を絡めとる。
「…っは…。んっ……!はぁっ……。」
お湯に浸かっていて身体が既に温まっているからか、いつもより心地よくなるのも早かった。
「、のぼせないでよ?…まだこれからなんだから。」
ルイの妖艶な笑みに、甘い声に、優しい指先に、どんどん私の身体は火照らされていった。
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「ちょっとやりすぎたかな。…ごめんね?」
そのまま意識を失ってしまった私をベッドまで運び、ルイは隣に横たわり優しく声をかけてくれている。
「…ありがとう、。いつも俺を甘えさせてくれて…。ありのままの自分でいられるのはの前だけ。」
ルイはそっと私の額にキスをして、眠る私の横顔を見つめて小さく呟いた。
「…愛してる。」