第12章 姫を看病*ユーリ*
次に目を開けた時は、いつも見慣れた私の部屋の天井が見えた。
「様…。具合はどう?」
私が目を覚ましたことに気付き、私の枕元に控えていたユーリが顔を覗き込んできた。
「…ユーリ。うん、少し楽になったかも。」
「よかった…。疲れから来る発熱だって。ゆっくり休めば良くなるって。」
神妙な面持ちから表情が少し柔らかくなったユーリを見て、心配かけてしまったんだな、と申し訳ない気持ちになった。
「…あ!公務は……。」
「幸い今日は書類の確認だけだったから、お休みしても大丈夫だよ。ジル様が手配してくれて、明日も念のためお休みにしてくれてるから気にしないで。」
「そっか…。ごめんなさい。」
予定を狂わせてしまったことに落ち込んでいると、ユーリが優しく私の頭を撫でてくれた。
「ここのところ公務が立て込んでたからね。様頑張ってたし、仕方ないよ。…食事はとれる?」
「…うん。ちょっとなら食べられそう。」
「じゃあ俺用意してくるね。」