第12章 姫を看病*ユーリ*
フリージア国に到着してから、次第に体が少しずつ重くなり、熱を帯びてきているのを感じた。
時間を割いて頂いているので、ご迷惑をおかけすることはできない。
会食の支度が整うまで城内を散策することになったので、私は中庭を散策していた。
不意にぐらりと目の前が揺らぎ、よろめくと後ろに控えていたユーリが抱き止めてくれた。
「様、大丈夫?…じゃないでしょ。」
「…うん。」
朝にユーリが言い当てたように、本当に具合が悪くなっていった。
「…会食までもう少しだけどどうする?」
「…頑張る。だって折角ご用意して頂いてるんだから。」
「そう言うと思ったよ。…本当は無理しないでほしいけど。じゃあ頑張れるようにおまじない。」
すると、ユーリは私の額にそっとキスをして優しく抱き締めてくれた。
「…ありがとう、ユーリ。うん、…頑張れそう。」
「俺の力、様に分けたからね。俺が側にいるから大丈夫だよ。」