第11章 Shall we dance?*ルイ
舞踏会の夜。
多くの国の代表が集まり、それぞれに挨拶に伺った。
数名のダンスのお相手になった時も周りから歓声が上がっていたので、特に不自然なところはなかったようで安心した。
すると、会場の隅で貴族の女性たちに囲まれるルイの姿を見つけた。
いつも私に見せる表情よりも、眉を寄せて目を細めて怪訝そうな表情を浮かべている。
「ルイ様、私のダンスのお相手をしてくださらないかしら?」
「私ですわよね?」
「…悪いけど、ちょっと外に出るから。」
何を話しているかは聞こえなかったけど、ルイは外に出ていってしまった。
…気になるな。
「ジル。少しだけ席を外していいですか?」
隣に控えていたジルに確認をとると、彼はふっと口許に笑みを浮かべた。
「…少しだけですよ?戻ってくる時はあまり視線を一点に集中させないで下さいね?」
…ルイばっかり見てたのバレてるな。
私は軽く会釈をすると、会場の外に出た。
彼が行くところはわかっている。