第11章 Shall we dance?*ルイ
前に、気分転換に、とお城を散策していた時に気に入ってるって言っていた場所。
階段を上り辿り着いたのは、花が美しく咲き誇る空中庭園。
すると、空を見上げて星を眺めるルイの姿があった。
「ルイ!」
「。…ダンスホールにいなくて大丈夫なの?」
「ルイが出ていっちゃったから気になって…。気分でも悪くなった?」
ルイは首を横に振ると、あの優しい笑みを私に向けてくれた。
「…だと一緒にいて落ち着くんだけどね。」
「え?」
期待してしまうような言葉に、私はまたドキドキさせられてしまった。
その時昨日のあの言葉を思い出した。
「ねぇ、ルイ。…私と踊ってくださいませんか?」
私はルイにすっと手を差し出した。
実は初めてのお誘いに、ルイは目を丸くしている。
すると、口許を緩めて私の瞳を捉えた。
「…昨日言ったとおりだよ。…喜んで。」
微かに耳に入ってくる音楽に身を任せて二人の時間を噛みしめた。
「、もっとこっちに来て。」
「あ、踊りにくい?」
「ううん。…もっとちゃんとを抱きしめて踊りたい。」
聞き間違いじゃないかと思って、ルイの方に視線を向ける。
すると、いつもあまり表情を変えない彼の顔が真っ赤に染まっていた。
見たことない彼の顔に、胸がぎゅうっと熱くなってトクントクンと音を立てた。
あの柔らかな微笑みも、照れて真っ赤に染まった顔も、私にだから見せてくれたんじゃないかな。
そんな自惚れた気持ちを告げる勇気はまだないから。
もう少しだけ、あなたを一人占めさせてほしい。