第5章 星空の下で*アラン*
「危ないから座っとけ。」
アランが先に芝生の上に座り、握っていた手を引き私を隣に座らせた。
「…くしゅっ。」
カーディガンを羽織っているとはいえ、今日の夜風は冷たく少し肌寒かった。
「しょうがねぇな…。」
すると、さっき馬に乗っていた時のように彼は私の背後に回り、後ろからぎゅっと抱き締めてくれた。
「ありがとう、アラン。…あったかい。」
「あぁ。…お前こうしてほしくて、わざと薄着してきたんじゃないだろうな?」
「えっ…!違うもん!」
「、お待ちかねのやつが始まったぞ。」
再び見上げると、空には数えきれないほどの流れ星。
光の筋が現れては消え、また現れては消えていく。
まるで星が降ってくるみたいに見えた。
言葉が出ないほどその光景は感動的で、私はすっかり見入ってしまった。
チラリとアランの方を見ると、少し憂いを帯びた瞳で空を見上げていた。
私は手を胸の前で組み、目を閉じた。