第5章 星空の下で*アラン*
「アラン!何で?今日は遅番じゃ…。」
「代わってもらった。お前言わなかったけど、何かあるんじゃないのか?」
「さすがだなぁ…アランは。私のこと何でもお見通しなんだから。」
当然だろ、と彼はにやりと笑みを浮かべた。
「外出るから、上着取ってこいよ。」
「え?」
「早くしねぇと間に合わないぞ。」
時間を気にしたその言葉で、私はハッとした。
クローゼットからカーディガンを取りだし、アランの後に続き部屋を出た。
厨舎に入ると、アランの馬は鞍を付けられいつでも出発できる準備が整えられていた。
「今日は一頭で行くの?」
「ちょっと急ぐからな。……ほら。」
彼に馬に乗るのを手伝ってもらい、続けて彼が私の後ろに跨がる。
背中に彼の熱や鼓動が伝わり、何だかドキドキしてしまう。
彼の腕が後ろから手綱を掴み、まるで抱き締められているような感覚に陥る。
「よし、行くぞ。」
「どこ行くの?」
「秘密。……何にやけてんだよ。」
「えへへ…。二人で一緒に乗るの久しぶりだな、と思って。」