第5章 星空の下で*アラン*
レオがジルの執務室へ向かうと、正面から甲冑を身に纏いマントを靡かせて向かってくる騎士団団長の姿が見えた。
「ねぇ、アラン。」
「…あんたか。何だよ。」
アランは怪訝そうな表情を浮かべ、レオの言葉に応えた。
「ちゃん明日の流星群見たがってたよ。」
「…が?」
アランは彼女の名前にピクリと反応した。
それだけ伝えると、レオは再びジルの元へ歩みを進めた。
残されたアランはその場で少し考え込んだ。
「…そうだ。」
何かを思い付き、また再び辿っていた道に戻る。
「アラン!」
背後から聞こえた声に、今度はふっと笑みを浮かべて振り向く。
「お疲れ様。」
そこにはもちろん嬉しそうに微笑むがいて、労いの言葉をかけてくれた。
「、これからまた公務か?」
「うん。そろそろ時間だから、ジルに内容を確認しようと思って。」
「そうか。あんまり頑張りすぎるなよ?」
そう言って彼女の頭にぽんぽんと触れ、別れようとした時。
「アラン!…あの、明日って夜時間あるかな?」
「明日は遅番だからな…。ちょっと難しいな。悪い。」
「ううん、大丈夫。じゃあまたね。」
落ち込んだ気持ちを隠すように作り笑いを浮かべて、バイバイと手を振り彼女は去っていった。
そんな彼女の後ろ姿を見送り、アランはクスリと笑い呟いた。
「…本当わかりやすい奴。」