第29章 お揃いの誓い*ルイ*
2時間ほど馬車に揺られて到着した街はどこかウィスタリアと似ていて、多くの店が並び、活気に溢れた雰囲気だった。
「ルイ、ここ来たことあるの?」
「一度他の公爵との会食で来たんだ。…なんかウィスタリアと雰囲気が似てて印象に残ってた。」
人々の様子や街の空気に気をとられていると、ルイが私の名前を呼んだ。
「、行こう。」
指と指が絡まり、並んで歩くよりも距離が縮まった。
立ち並ぶお店の中で、ショーウインドーにキラキラ輝くアクセサリーが飾られたお店に一瞬足が止まった。
「…入ってみる?」
「いいの?」
「もちろん。」
小さなお店の中には、繊細なデザインのリングやピアス、ネックレスが飾られていた。
ただ一つ不思議なのは、どこか似たようなデザインのものが隣同士並んで置いてある。
私は気になって店員さんに声をかけた。
「あの…ここのアクセサリーはペアのものが多いんですか?」
「はい。当店のアクセサリーは全て二つで一つの意味を成すように作られているんですよ。」
「へぇ…何だか素敵ですね。ね、ルイ?」
「うん…。あ、これつけて。」
そう言ってルイが私の背後に回り、後ろからそっと何かを首にかけてくれた。
鏡を覗いてみると、首元には小さな一粒の青い石がさりげなく輝くネックレスだった。
「きれい…。」
「それは同じ石から加工されているネックレスなんですよ。本当に二人で同じものを身に付けていると言えますね。」
「…これとペアのやつも頂くよ。」
ルイは付けていくからと言って、お会計を済ませた後自分の分を身に付けて、先程のように私の後ろからネックレスを付けてくれた。
「ルイ…ありがとう。…お揃いなんて嬉しい。」
「どういたしまして。…俺もと一緒は嬉しい。」