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イケメン王宮*Short Stories

第28章 Love Letters*ルイ*ユーリ*アラン*


<ユーリ>

「様、お疲れ様。」

就任一周年の記念セレモニーを終えて一安心した私に、ユーリは礼服姿のまま紅茶を用意してくれた。

「ありがとう。…ふぅ、やっと落ち着けた。」

「始まる前、かなり緊張してたもんね。」

「だって国民全員の前でスピーチする機会なんて滅多にないし…。私、声震えてなかった?」

「大丈夫だったよ。さすがプリンセスって感じだった。」

ユーリの前だと背伸びしない自然な自分でいられる。

ついつい甘えて本音を言ってしまうけれど、ユーリはやさしくそれを許してくれる。

「今日の髪型可愛いよね。」

ユーリは隣に座って、ふわふわにカールされた私の髪に優しく触れた。

「メイドさんたちがセレモニーだからっていつもより念入りにセットしてくれたんだ。」

頭をよしよしと撫でられる感触が心地よくて、ユーリの肩に頭をもたせかけた。

するとユーリは私の額にちゅっとキスをくれた。

「こうしてると様がプリンセスってこと忘れそう。」

「ユーリの前だとリラックスしちゃうからなぁ…。」

「俺にしかこういう姿見せないのってやっぱり特別みたいで嬉しいな。」

隣に大好きな人がいてくれる安心感と、身体に触れる心地よい温度。

うとうと微睡んでいると、ユーリが声をかけてくれた。

「…そろそろ寝よっか。俺着替えてくるから、様も支度しておいてね。」

頷けば、ユーリは私の頬にキスを落として部屋を出ようとした。

その時ユーリは何かに気付いて踵を返した。

「様、はい。」

手渡されたのは一通の封筒。

「…手紙?」

「うん。俺からのラブレター。後で読んでね。」

ユーリの背中を見送り、待ちきれずに手紙に目を通した。

そこに並べられていたのは、素直なユーリの気持ち。

言葉でもらう「好き」も嬉しいけれど、ユーリの字で書かれた「好き」にもトクンと胸が高鳴る音がした。

ユーリが戻ってきたら改めて伝えよう。

「様?まだ着替えてな…」

着替えを済ませたユーリが言葉を言い切る前に、少し背伸びをして私からキスをした。

「…ユーリ、大好き。世界で一番ユーリが好きだよ。」

「うん…。俺も大好きだよ、…。」

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