第24章 つかめる赤糸は一本だけ/アラン*ルイ
ついに迎えた舞踏会の夜。
ダンスホールには貴族や要人たちが招かれて、賑わう声が聞こえてくる。
選んだピアスに合うドレスに身を包み、私はダンスホールの扉を開けた。
私はドレスを軽く持ち上げて、視線を招待客へと向けた。
「皆様、本日はようこそお越しくださいました。お時間が許す限りお楽しみください。」
「プリンセス…。今日非公式ですけれど、次期国王をダンスのパートナーとして選ぶらしいわよ。」
「誰が選ばれるんだろうな…。」
壁際には騎士団団長として、アランが控えている。
反対側には、貴婦人に囲まれたルイが見える。
二人からの視線を痛いくらいに感じる。
音楽が会場に流れ、一人また一人とパートナーを見つけ、手をとりゆっくりとステップを踏み始める。
「プリンセス、僕とぜひ一曲…。」
「私と踊ってくださいませんか?」
貴族たちからの誘いを丁重に断り、私は彼の元へと真っ直ぐに足を進める。
もう、心は決まっている。
どんどん近付く私を見て、目を丸くして頬を染める彼の顔。
彼の前で足を止める。
「…私と踊ってくれませんか?」