第24章 つかめる赤糸は一本だけ/アラン*ルイ
舞踏会の前夜。
私はドレッサーからアクセサリーボックスを取り出した。
アランからもらったピンクのバラのピアス。
ルイからもらった白い花のピアス。
二つのピアスを見つめながら、私は一つ溜め息をついた。
アランの言葉も、ルイの言葉も、紛れもなく真剣なものだった。
二人とも、私にとって大切な存在。
だけど、思い返してずっと隣にいてほしいと思ったのは。
触れられてしばらくその熱が覚めやらなかったのは。
愛言葉に「私も」って答えたくなったのは。
扉を叩く音がして、迎えるとそこにはジルが立っていた。
「ジル…。こんな時間にどうしたんですか?」
「夜更けに失礼いたします。明日ですので、確認をしに来ました。…決めたのですね。」
ジルは私を見て、少し安心した表情を見せた。
「どうしてそう思うんですか?」
「貴女の表情から迷いが消えました。…貴女が選ぶのなら間違いはありませんよ。」
ジルの言葉が、私の背中をそっと押してくれる。
明日、私は決断する。