第23章 12月7日*ゼノ*
パーティーが終わり、ゼノ様と私は来客の皆様のお見送りをしていた。
「皆様帰られましたね…。何だか急にお城が静かになったような気がします。」
「そうだな…。」
少し疲れた表情を浮かべたゼノ様に、私は声をかけた。
「ゼノ様、お部屋に戻られますか?」
「あぁ、そうしよう。」
すると、側で控えていたアルバートがゼノ様の足を止めた。
「失礼します。ゼノ様、明日の予定について確認したいことがあるのですが…。」
「じゃあ私もユーリに明日の予定を聞いてきますので、また後でお伺いしますね。」
ゼノ様に会釈をし、私はユーリの部屋を通り過ぎ、台所へと向かった。
台所でユーリと合流し、ケーキとワインの準備をする。
「今アルが足止めしてくれてるよね?急いで運ばなくちゃね。」
「うん。…ゼノ様、喜んでくださるかな。」
「大丈夫だよ。まず様と過ごせるだけで、ゼノ様は十分幸せなはずだから。」
私とユーリはゼノ様の私室へと急いだ。