第22章 二人だけの秘密【甘裏】*ユーリ*
テーブルに並ぶのはティーポットとカップ。
それに夜だからか、少しだけお茶のお供のお菓子が並べられていた。
「前はよく様が寝る前にお茶淹れてたでしょ?最近出来なかったし…今日は秘密のお茶会。…座って?」
ソファーに腰掛けると、ユーリがカップに紅茶を注いでくれた。
ふわりと香る甘く優しい香りに、クリームベージュのお茶の色。
「…ロイヤルミルクティー?」
「うん。様が一番好きなお茶でしょ?さ、どうぞ。」
添えられたお菓子も、前に私が好きだって言ったものばかり。
こくりと紅茶を口に含めば、程よい甘さが口いっぱいに広がる。
私の好みの甘さ加減も、ユーリはちゃんと把握している。
ユーリの気遣いや優しさに想いが溢れて、隣に腰掛けたユーリの首に腕を回し、ぎゅっと抱きついた。
久しぶりに鼻を掠めたのは爽やかなユーリの香り。
「ユーリ…ありがとう。…嬉しい。」
素直に想いを言葉にすれば、ユーリは頬を染めて嬉しそうに微笑んだ。
私の腰にユーリは腕を回し、そっと抱き締めてくれた。
「喜んでくれて良かった…。俺ね、王子様も嫌いじゃないけど、執事の時はずっと様の側にいたからね。…最近何だか寂しかった。」
私と同じことを思ってくれて、それを素直に伝えてくれる。
何て幸せなことなんだろう。
改めて自分の想いの大きさを感じる。
「私も、寂しかったの。…ユーリが少し離れてしまったような気がしたんだ。」
「…俺はいつでも様の側にいるし、いつも様のこと想ってるよ。」