第22章 二人だけの秘密【甘裏】*ユーリ*
お風呂に花びらを浮かべ、入浴後に以前ユーリからもらったオイルをつける。
華やかだけど甘いこの香りをユーリが好きだって言ってたから。
部屋に戻るふりをして、誰にも見つからないようにあの部屋を目指した。
ユーリ、もう来てるかな。
…最近二人きりで会ってないから、ちょっと緊張しちゃう。
部屋の扉の前で立ち止まる。
見つかってしまうといけないから、ノックが出来ない。
一度深呼吸をして、ゆっくりと扉を押した。
扉を開くと、暗闇の中にぼんやりとキャンドルの灯りが浮き上がっていた。
薄暗さに目が慣れてくると、ソファーとテーブルの側に人影が見えた。
「…ユーリ?」
名前を呼ぶと、その人は手に持っていたキャンドルに火を移した。
灯りでようやくしっかりと顔が見られた。
「様、待ってたよ。」
優しい笑顔に胸をときめかせ、彼の元へと距離を縮める。
ユーリはテーブルのキャンドルに火を灯した。
「…っ!ユーリ、これ…!」
私は光に照らされたテーブルを見て感嘆の声をあげた。