第2章 また君に恋をする*ルイ*
事故から2週間が経ち、ルイも外に出て散歩が出来るくらいまで回復した。
「明日から公務に戻れそうなんだ。」
「そっか。元気になったのは嬉しいけど、また忙しい毎日になっちゃうね。」
出会ったあの日と同じ噴水の前で二人並んで腰かけた。
ここで白い花を探しているところでルイに声をかけられたんだっけ。
「。君は…もう次期国王を決めたの?」
突然の問いかけにドキリとする。
「え…どうして?」
「左手の薬指に指輪をしているから。」
ルイの白くて綺麗な手が私の手にそっと触れた。
暖かくて懐かしい温もりに、顔がどんどん赤くなるのを感じた。
ルイからもらった結婚指輪だよ、って素直に伝える勇気はなくて。
でも、少しだけ気付いてほしくなった。
「うん。これは大事な人からもらったものなの。…ルイも指輪を付けてるじゃない。それは誰とお揃いなの?」
「え…。」
ルイは戸惑うような表情で、自分の指輪を眺めた。
「ごめんね!ちょっとからかっただけ!」
そう言って、公務に戻るふりをして、私はルイから逃げた。