第2章 また君に恋をする*ルイ*
記憶を失ってしまっても、ルイはルイ。
「ルイ様、こんにちは。具合はいかがですか?」
「。…だいぶ良くなってきたよ。部屋を貸してもらって申し訳ないね。」
あれから、私は毎日ルイの部屋に通った。
一緒にお茶を飲みながら、他愛もない話をする。
庶民から一国のプリンセスになったという話をした時は出会った時と同じように心配してくれた。
「私は大丈夫です。ジルやユーリ、アランやレオ…周りの皆が助けてくれていますし、国民の皆さんを幸せにしたいんです。」
「…そうか。君は強いんだね。」
少しだけルイはふわりと笑みを浮かべてくれた。
久しぶりのルイの笑顔にトクン、と心が跳ねる。
「ところで…俺は前から君のことを知っていたんじゃないのか?」
「どうしてですか?」
「君からの俺の呼び方や、話し方になぜか違和感を感じるんだ。」
「…うん。前はね、こうして敬語を使わずに話をしていたし、ルイって呼んでいたんだよ?」
「その方がしっくりくる。どうしてだろう。…君に名前を呼ばれると嬉しいんだ。」