第18章 11月11日【甘裏】*ジル*
今日はいよいよジルの誕生日。
手作りのケーキとプレゼントを持って、ジルの部屋を訪れた。
「ジル!お誕生日おめでとうございます!」
「…、ありがとうございます。」
ケーキとプレゼントを手渡すと、ジルは嬉しそうに口元を緩めた。
「ケーキはが作ったのですか?美味しそうですね。」
「はい。…きっと夜には素敵なケーキが出ると思いますけど。」
「そんな風に言わないでください。貴女が心を込めて作ってくれたものでしょう?…食べさせてくださいませんか?」
ジルの優しく妖艶な笑みに、ドクンと胸が高鳴る音がした。
ケーキをフォークで差し、ジルの口元へと運ぶ。
ぱくり、と口に含み噛み締めると、ジルは小さく頷き幸せそうな表情を浮かべた。
「…美味しいです。も食べますか?」
「あ、はい。じゃあ…」
自分の手にあるフォークをケーキに差そうとした時、ジルの手に制された。
「え…?」
その行動に戸惑いジルの方を見ると、肩をぐっと抱き寄せられ唇が重なった。
まるで唇がケーキになったかのように、何度も何度も味を確かめるようにキスをされた。
唇をぺろり、と舐められ、その隙にジルの舌が入り込む。
「…んっ……ふ…。」
私の舌に触れるジルに応えようと、何とか舌を絡めようとする。
身体がじわりじわりと熱くなる。
「…今だけは、貴女を私だけのものにさせてください。」
耳元でジルがそう囁くと、私の身体はますます火照っていった。