第18章 11月11日【甘裏】*ジル*
ネーブルズに訪問し、国王陛下を始めとしたネーブルズの貴族の方々へ挨拶をした。
何度もお会いしているけれど、いつでも丁寧に気を抜かずに。
猛特訓を重ねた甲斐があって、いつもよりも上手く振る舞えたような気がした。
ジルの方をちらり、と見ると、目を細めて優しく微笑んでくれた。
和やかに時間は過ぎ、私は一度席を外した。
「ジル殿、プリンセスはまた一段と可憐になられましたな。」
国王陛下がジルに優しく声をかけた。
「僕もそう思いました。何度かお会いしていますけれど、お会いする度にお美しくなられていますね。」
「すっかりプリンセスらしく気高くなられましたね。」
同席していた貴族たちも次々とプリンセスの変化を口にした。
「お褒めの言葉、有り難く頂戴いたします。プリンセスにお伝えいたしますね。」
ジルは物腰柔らかく笑顔で、その賞賛の声に応えた。