第2章 また君に恋をする*ルイ*
彼が私を見る視線は確実にいつも向けられているものではなかった。
初めて会う人が突然自分の部屋に現われて戸惑っている目。
「彼女は我がウィスタリアのプリンセス、です。」
「…ああ、そういえば新しいプリンセスが決まったと言っていたな。…宜しく。俺はルイ=ハワード。」
疑惑が確信となってしまった。
「宜しくお願い致します。」という言葉を何とか口にして、無理やり笑みを浮かべた。
「お体に障りますので、今日は失礼いたします。」
そうジルが切り上げてくれて、部屋の扉が閉まった瞬間。
私は立ってもいられなくなり、その場で崩れ落ちてしまった。
このまま一生彼が私のことを思い出さなかったら?
恐くて恐くて仕方がない。
優しく、紳士で、時にちょっと甘えんぼで、愛をたくさんくれて。
ルイほど好きになれる人なんて、いない。