第17章 秘密のバスタイム【甘裏】*ゼノ*
「す…、すいません!」
急に恥ずかしさが込み上げてきて、のぼせたわけではないのに顔に熱が集まった。
離れようとしても、ゼノ様は段差に腰掛け膝の上に私を乗せて、両腕で私の身体をがっちり押さえ、離そうとしてくれない。
「…ずっとお前に触れたかった。離すわけがないだろう。」
すると、首筋にゼノ様が吸い付くように唇を寄せた。
「…んっ……!」
チクリ、と痛みを感じると、今度は胸元にも同じ痛みを感じた。
胸元を見ると、小さな赤色が目に入った。
「前に付けた印が消えてしまっているからな。…またつけ直しておかなければ。」
唇を寄せる音が反響して、その音がますます私を火照らせる。
「…この先は、どうしてほしい?」
気付けば胸元にはたくさんの赤い花が咲き乱れていた。
鼓動は高鳴り、のぼせたように身体は熱く。
疼く身体を静めることなんてもう出来なかった。
「…もっと、触れてください。」