第16章 貴方に誓う*レオ*
「ちゃんからお願いだなんて珍しいね。…俺に出来ることなら何でもするよ。」
そう言ってレオは私が枕に乗せていた手に、自分の少し大きな手を重ねた。
手から伝わる温もりを心地よく感じながら、私はレオの赤い目を見つめて口を開いた。
「まず、嘘は吐かないでほしい。」
「…それが優しい嘘でも?」
きっとレオのことだから、私が傷つくような現実は優しい嘘に変えて和らげようとしてくれる。
でもどんな現実だってもう受け止められる。
二人で乗り越えていきたいの。
「うん。…私はレオのことなら全部受け入れるから。あと…嘘吐いててもレオの顔見てればわかるもん。」
「すごい自信だね。どうして?」
「アランから聞いたの。レオは嘘つく時、必ず右の口角が上がるって。」
私はにやりと笑みを浮かべて、レオの右の口角を指でつん、とつついた。
「全く…。アランもちゃんには甘いんだから。」
そう言いながらも、レオの顔は何だか嬉しそうに綻んでいた。