第11章 『分解』 4
朝、目を覚ませば何故かテーブルに伏せていた。
錬金術の事を書き連ねた僕のノート。
昨日はエドワードくんの査定のために南方司令部に来て………
「やっば!列車!?」
今日は朝一番の列車で帰る予定だったんだ!
僕は乱れた髪を手櫛で直しながら、彼が寝ているベッドへ走る。
「エドワード君、エドワード君!起きて!」
「んぁ?」
抜けた声に彼もぐっすり眠っていたようだ。
「誰?」
誰って……
髪をほどいているからわからなかったって?んな、ばかな。
「誰ってビーネだよ!寝坊だ!エドワード君!」
「…寝坊!?」
寝坊!!!と叫びながら、がばっ!とベッドから跳ね起きる。
起きたのを確認して、テーブルの上の物を片付ける。
「テーブルの上の物は全部僕のトランクに突っ込むよ!準備ができたら、もう行こう!」
「あぁ!」
ドタバタと部屋の中を駆け回り、荷物をまとめ、エドワード君が僕のコートも持ってくれたのを見て、一緒にホテルを飛び出した。
「いっそげー!」
「待って!朝食!」
パンの露店で朝食を買って、僕たちは列車になんとかぎりぎりで乗り込んだ。
乗り込んだのはいい。
乗り込んだのはいいんだけど。