第10章 『分解』 3
しかし受付でちょっと手間取る。
「はい、これを持って技術研究局に行ってくださいね。」
「ども。」
「査定有効期限過ぎてるから、手続きが大変ですよ。」
やっぱりかぁ。
「どうだった?」
「やっぱり、めんどくさいってよ。技術研究局にいけって。」
「あー……」
なんとかする。と言ってついて来たのに、何の役にも立ってねぇじゃねぇかこいつ。
いつもに見たいに呑気にベンチに座っているだけ。
文句の一つでも言ってやりたかったが、書類を待っている間に耳にはさんだ会話が、そうはさせなかった。
「どこにあるかわかるか?」
「うん。行こうか。」
俺の分の荷物も持ってくれているのは助かる。
前を行く彼を、今はただ追いかけることにする。
「あ。アームストロング少佐?」
「むぅ?おぉ!ヒューズ少佐!」
聞き馴染みのある名前に顔をあげると、目の前には筋骨隆々のでかい男。
「元気そうで何より!!」
「ぐぅほ!」
「あはは!」
少佐は俺の事を思い切り……締める。
骨が軋む音が聞こえ、これはマジでヤバい。
「少佐。その辺にしておいてやって下さいよ。ところで、どうして南部に?」
たぶん。
ビーネが止めてくれていなかったら、俺はまた病院送りになっていただろう。
奴の質問に少佐は答えず、こっちだ。と一つの部屋に案内する。
中にはいれば大総統。
心臓に悪い。
……夢じゃねーの?