第9章 『分解』 2
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彼らに付き合って図書館になんて行ったのが間違いだった。
話しかけたってエドワード君はピクリとも反応しない。
アルフォンス君に訴えれば、いつものことだよ。とあしらわれる。
……つまんねぇ。
「あの、ヒューズさん。」
「はい?」
アルフォンス君が重たそうな本を抱えて、つまらなさそうに絵本を山にしている僕の所にやってきた。
「良かったら、ビーネさんって呼んでも良いですか?」
いい辛そうに何を言うかと思えば、父さんと僕が同じヒューズだから混同して困る。という話しだった。
「なんだ、そんなこと。構わないよ。僕だって君たちの事名前で呼んでるし。」
「じゃぁ!ボクの事もアルって呼んでください!」
「アル?いや、でもいいのかい?」
ぜひ呼んでくだい!と迫られ結局、アルとビーネと呼び合うことになった。
もちろん敬語もなし。
で、早速。とアルが持っていた本が僕の前に置かれた。
「錬金術の事、教えて!」
「錬金術……でも、それはイズミさんに教えてもらったんじゃ?」
「兄さんより出来るようになりたいんだ。」
実に子供っぽい理由だったが、知識欲と言うのはそういうものだろう。
僕はエドワード君が帰ると言いだすまで、アルと一緒に錬金術の本を読み解くことにした。
「うわー、すっかり遅くなっちゃったな。兄さん本に集中すると時間を忘れるんだもんなー。」
「お前らだって、かじりついてただろ!」
「まぁまぁ。」
「お前だよ!」
早歩きで、道を歩いて行く。