第8章 『分解』
「あれねぇ…」
「え…何かやばい?」
「ヤバいって言うか…」
エドワード君とイズミさんが目を合わせる。
「すごい?こんなん?」
「うん。なんかスゴイ。こんなん。」
腕をふよふよと動かし、真理の腕を模す。
たしかに、そんな感じだったかもしれないけど……
「精神がイカれるかも…」
「下手すりゃ廃人?」
「ほ、ほんと?」
アルフォンス君が僕に確かめて来る。
「あながち嘘でもないね。そんなんだし、頭はおかしくなるかと思った。」
うぅ…。と少し尻ごみするアルフォンス君。
しかし、彼の決意は固かった。
「……それでも、可能性があるならそれに縋りたい!」
「よし。記憶を戻す方法を探そう。私は知人に当たって見る。っと、その前にお腹すいてるでしょ?ご飯にしよう、手伝いな。」
そういってイズミさんが立ち上がった。
釣られて僕も立ちあがった。
「方法が見つかるまで、帰る気はないんでしょ?」
イズミさんは彼らの事すごく大切なんだろうな。
ポカンとした顔で座ったままの二人を見て、また、いつものイズミさんに戻る。
「ほらっ!いつまで座ってんだ!」
急に背筋を正すエルリック兄弟を見て、思わず笑ってしまった。
「笑うなよ。」
「はは。ごめん。」
・・・