第8章 『分解』
なんだよあいつら!
立ちあがって乾いた砂を払うと、イズミさんが飯を食って行かないか?と誘ってくれた。
「いえ!これ以上ご迷惑は…それにあの兄弟に話しが」
「戻って来るさ。あいつらはそう言う奴らだ。」
……どういう奴らでしょう。
話が見えないんですが…。
「ビーネっていったね。」
「は、はい。」
「ヒューズという姓があるという事は家族は居るのか?」
「え、えぇまぁ。血は繋がってませんが、父と母と妹が一人…」
急に優しくなった。と言うわけではないが、先ほどのげんこつ事件があるので、言葉を間違えばもう一度喰らうことになるかもしれない。
「その歳で軍人って、両親は反対しなかったのかい?」
「えぇ。父が軍人で、僕は錬金術ができましたので父のようになりたいと、背を追い掛けました。」
ぬ。と伸びて来た掌に息を飲んだが、その手は僕の頭を撫でるばかり。
「エドやアルとは違う道を歩いて来たんだろう。特殊な所に所属していることも聞いたよ。……辛かったな。」
イズミさんの言葉に、父を錬成した時の事を思い出した。