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七色の雫 ~生きる道の再構築~

第8章 『分解』



「エドワード君、アルフォンス君!僕もいいかな?」

エドワード君は渋ったが、イズミさんが良いと言ってくださったので一緒に見学することになった。

「ほー。早くて正確になったな。」
「へへ。」

アルフォンス君がささっとチョークで錬成陣をかき、馬の銅像を錬成した。
素早く土中の銅を集め、正確にものを作り上げると行った基本の錬金術の点では、アルフォンス君の腕は素晴らしい。
次はエドワード君。
彼が陣なしの、両手を合わせて錬成をする。
その様子に一瞬イズミさんの顔がこわばった。

「じゃーん!」

と、言って出来上がったものは、先ほどのアルフォンス君の作った馬の銅像なのだが、いささか形容しがたいほどに……

「エドワード君。君のセンスが一瞬でうかがえる代物だね。」

馬に、牙や角、羽、派手な装飾。

「兄さんの錬成は、もっとこう、ディティールがだねぇ!」
「なんだよっ!二人して俺のセンスに文句あんのか!」
「無駄なものが多いんだよ!」
「お前なんて、地味じゃんか!」

僕は文句は無い。見た目は奇抜だが、ここまで細部を弄ってどこもかけることなく完璧にやりこなす彼の技量には驚く。

「おまえ、錬成陣なしでできるの?」
「え?はい、一応……」

イズミさんの質問にアルフォンス君は首をかしげ、説明を求めるようにエドワード君の方を見つめていた。

「エド。」
「はい?」




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