第8章 『分解』
「あぁ!ちっこい金髪の少年とでかい鎧なら肉屋にいったぜ。金髪のねぇちゃんはいなかったけどなぁ。」
「ありがとうございます。」
ダブリスは暑い。
さすが南。
露店のおじさんに二人の所在を聞けば、つい先ほどここを通ったという。
……寄り道しすぎじゃないか?ラッシュバレーにどれだけ滞在してたんだ。
「ごめんください!」
そう扉を叩けば、元気な声と共にガタイの良い男性が出てきた。
「ここにエドワード・エルリックとアルフォンス・エルリックは来てますでしょうか?」
「エドとアルか?いるぞ!」
案内された先は店ではなく家。
そこのリビングには兄弟の姿があった。
「ヒューズ!?なにしに来たんだよ!」
「ちょっと、君たちの旅に同行しようかなと。ウィンリィさんは?」
「ラッシュバレーに置いて来た。」
置いて来た?
とりあえず彼らとの話は後でもできる。
ちょうど昼食の最中だったらしく、申し訳ないと挨拶をする。
「なに、固くならなくていいよ。私はイズミ・カーティス。こっちは旦那のシグ。んでメイスンだ。」
「突然押し掛けてすみません。アメストリス軍監査副司令のビーネ・ヒューズです。」
「へぇ、若いのに二番手とはねぇ。それで、ヒューズさん。昼食はお食べになりましたか?」
「いえ、まだです。彼らにあってから何処かでと思ってました。」
「良かったら食べて行くと良い。」
イズミさんが気を利かせてくれて食事を分けてくれた。
準備をしたのはアルフォンス君だったが……。
彼らは旅の話しの途中だったようで、僕は特に説明も求めず、彼らの話しに耳を傾けていた。