第6章 『理解』 4
「おい、ヒューズ!お前見るからに暇だろ。連れてってやれよ!」
「え?僕より君の方が暇だろ?観光ぐらいいいじゃないか。」
「そうよねっ!」
「はぁ~!?旅費はお前が出せ!」
「まぁ、ウィンリィさん一人分ぐらいなら構わないけど。」
エリシアの誕生日会に来てくれたお礼ね。と言うと、やったー!とはしゃぐ。その姿がなんだかエリシアに似ているなとも思わなくもなかった。
「…ったく、しょーがねぇなぁ。」
「いいじゃない、女の子一人は危ないもの!ねぇ、ビーネさん。」
「うんうん。それに女の子が行きたいって言ってるんだ。連れて行ってあげるべきだよ。」
さすが、年上に男の人はあんたとは違うわねー。とエドワード君をからかうウィンリィさん。
そこにすかさず訂正を入れたのはアルフォンス君だった。
「ウィンリィ、ヒューズさんは兄さんと同い年だよ?」
「えぇ!?」
この日はやんややんやと僕の年齢とエドワード君の身長の事で盛り上がって結局このままお開きになった。
明日には出発するという事だったので、ウィンリィさんと家に戻って…いや、強制的に父さんが引っ張って来て……早速母さんと僕と三人でアップルパイの作り方を伝授してあげた。
彼らと一緒に食べられるようにと少し大きめに作ることも忘れなかった。
・・・