第6章 『理解』 4
「なんのこっちゃ……頼まれた切符、買って来たよ。」
ウィンリィさんがエドワード君に切符を渡す。
また何処かに行くのだろう。
「おっ。サンキュー!」
「なんだ、忙しないな。怪我も治りきってなかろうに。」
和んだ病室から、大総統を乗せた車が向かった先をずぅっと目でたどっていく。
車はすでに見えない。
「あーっ!」
ウィンリィさんの大きいな声に、僕たちは肩をびくつかせた。
また何か来たのかと思った。
「ここ!ダブリスの手前!」
「ラッシュバレー?何かあるの?」
ウィンリィさんが指をさしていた地図をアルフォンス君が一緒に覗きこむ。
「機械鎧技師の聖地ラッシュバレー!一度言って見たかったのー!連れてって連れてって連れてけっ!」
ぐいぐいとエドワード君に詰め寄るウィンリィさん。
正直、ちょっと怖い。
「一人で行けそんなとこ!」
「誰が旅の旅費を払うのよ!」
「俺にたかる気か!?」
なんだかんだ言いながらも仲がよさそうな二人。
んー、彼女かー…僕は……そんな人いないや。