第6章 『理解』 4
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病室から頼んでいた車が到着するのを見て、部屋を出た。
外に出ればいつも仏頂面のヴィンズと笑顔満開で迎えてくれたアリス。
「あれ、ヴィンズも付いて来たんですか?」
「うん!副しれーが落ち込んでるって言ったら、ついて来たの!」
「…さっさと行くぞ。」
運転席にさっさと乗り込んでしまったヴィンズ。
アリスと笑い合って一緒に後部座席に収まる。
今日はエリシアの誕生日だからプレゼントを買いに行く。と言ったらアリスが、自分も買う!と言ったので一緒に見に行くことになったのだ。
「エリシアちゃん3歳になるんですよねー」
「うん。だいぶしゃべるようになったんだ。にいちゃーって。」
「わぁ!嬉しいですね!」
「毎日家に帰るのが楽しみなんだ。」
ホント。僕も父さんの事言えないよ。
アリスと二人、ヴィンズもいたけれど、おもちゃ屋さんをはしごして、あーでもないこーでもないとようやくプレゼントを決めた頃には夕食の時間になっていた。
「ビーネが前の店でもたつくからだ。」
「だって!エリシアの好きな色がなかったから。」
「女の子は色にもうるさいの!」
「まだ、みっつだろ。」
やんややんやとウチの前に車を止めて、どやどやと楽しそうに明かりのついた自宅の扉を開けた。
「ただいま!」
「おにーちゃ!おかいー!」
「ただいま、エリシア。」
玄関に飛び込むと、エリシアが飛び込んで来た。
「こんばんは、エリシアちゃん!アリスだよ!」
「アリウ!」
「こっちはヴィンズ!」
「ビンズ!」
ワイワイと玄関でひと盛り上がり
既に父さんも帰ってきているようで、上着が玄関にかけてあった。